青木ゆり子『世界の郷土料理事典: 全世界各国・300地域 料理の作り方を通して知る歴史、文化、宗教の食規定』誠文堂新光社

久しぶりに料理本を購入。世界の郷土料理のレシピ集である。実用書として使うのではなく料理雑学を仕入れるために利用したい。だってレシピ通りに作れたとして、その味が「正解」なのかどうか判断がつかないからねえ。ともあれ、世界中の郷土料理を写真で眺めることができるのは面白い。

カール=ジンマー『進化―生命のたどる道』岩波書店

近頃どの科学分野の本を見ても、「進化」というキーワードを見かけない日はない(ような気がする)。常々『キャンベル生物学』の「進化」の解説だけでは物足りないと感じていたので、専門の本を探すことに。同じくカール=ジンマーさんの『進化の教科書』(ブルーバックス)の方がやや新しいのだけれど、こっちだと三分冊になってしまうのだよなあ……。ちょうど古書が安く売られていたので、一巻モノの本書を買っておく。

前田重治『図説臨床精神分析学』誠信書房

精神分析学は最近ではあまり話題にならないので、テキストも少し古いものが多い。この本も1985年に出版されたものなのだけれど、分かりやすくて評判が良いらしい。『精神分析的人格理論の基礎』と一緒に読むために手に入れておく。いずれ脳神経科学からのエビデンス付きで、精神分析学が再解釈されるであろう、という意見を見かけた事があるが、そうなったら楽しいだろうなあ。

安冨歩『生きる技法』青灯社

「自立とは多くの他人に、少しづつ依存することである」という考え方を知り、いたく感心する。さっそくネットで調べてみたら、この本にたどり着いた。「生きるにはどうしたらいいのか。そればっかりは、誰も教えてくれませんでした。」「私が受けた教育や学んだ学問の大半は、この簡単なことを隠蔽するように構成されていました。」うん。たぶん、“大人”たちも「生きる」ことについて、さほど多くのことを知っている訳ではないのだろうねえ。

トム=ニコルズ『専門知は、もういらないのか』みすず書房

最近出た本で、「反知性主義」について扱ったもの。このジャンルの書物ではリチャード=ホーフスタッター『アメリカの反知性主義』などが有名らしいけれど、ちょっと日本におけるソレとは意味合いが異なる気がしていたのだ。本書の方がより普遍的な内容に思えるので、こちらをチョイスして本棚に入れておくことにする。

渡辺茂・長谷川寿一『美の起源: アートの行動生物学』共立出版

「美」の起源について行動生物学の知見を用いて考察した小冊子。「美」については、哲学(美学)的なアプローチの著作は数が多いのだけれど、自然科学系のテキストが少なく、なかなか見つけづらかった。ところで関係ないけれど、『分析美学入門』という本が購入予定のリストに入っていたことを、すっかり忘れていた。

モーリス=ナドー『シュールレアリスムの歴史』思潮社

シュルレアリスムの歴史を概観した本。あるテーマについてざっと把握したかったら、やはり専門家に「何を読んだらいいですかねえ」と聞くのが最も早い。シュルレアリズムを研究している先生のウェブサイトに何冊か参考文献が挙げられていたので、比較的安価に手に入る本書をチョイス。インターネッツは本当に便利だなあ。

カトリン=クリンクゾール=ルロワ 『シュルレアリスム』タッシェン=ジャパン

「もしもシュルレアリスムに特徴的なスタイルのようなものがあるとすれば、その特徴は、精神を合理的な思考習慣から解き放つために普通は無関係であるイメージを乱暴に並置することである。」(『コロンビア大学 現代文学・文化批評用語辞典』)。相変わらずの明快な記述っぷりに脱帽である。ところで、シュルレアリスムについての知識を増強するために専門書を買ってみる。ひとつは本書で、タッシェンの画集。もうひとつはモーリス=ナドー『シュールレアリズムの歴史』を入手。

戸田誠二『生きるススメ』宙出版

Web上で発表されていた漫画が面白かったので、試しに単行本を買ってみる。内容はごく地味かつ思弁的な短篇集。絵柄もアッサリしていて好み。しかし、もはや漫画も「雑誌に発表されてから出版される」という形式をすっとばして本になる時代なのだなあ、などと感慨を覚えたことでした。

W=キムリッカ『新版 現代政治理論』日本経済評論社

英語圏の大学ではスタンダードな政治哲学のテキストの一つだそう。「政治学」のほうの教科書としてはすでにNew Liberal Arts Selectionの『政治学』という非常に分かりやすい本を持っているのだけれど、「政治“哲学”」の基礎文献を持っていなかったのだ。両方でワンセットとして扱おう。しかし、例によってかなり分厚く、読了まで時間がかかりそう……。

山口義久『アリストテレス入門』筑摩書房

(先に買った5冊を読み終わっていないけど、)哲学書を読む上で、注釈書を揃えるという計画、六人目にアリストテレスを追加。四原因説・不動の動者・実践三段論法・詩学・形而上学などなど、一度はどこかで聞いたことのある言葉が並ぶ。アリストテレスが来たので、ソクラテスとプラトンもいずれ入門書が欲しいところ。

萩原直(監)『新版 東欧を知る事典』平凡社

平凡社から出ている「地域文化を総合的に知る<エリア辞典>シリーズ」の東欧編。地域の歴史文化を一冊の書物に仕上げたユニークな事典である。架空の世界を創造するときの参考書として購入。この事典に載っているくらいの情報量で世界設定できたら、完璧だろうなあ、などと妄想できる。「東欧」なのは、個人的な趣味。

アダム=ハート=デイヴィス『サイエンス大図鑑』河出書房新社

科学史の教科書である『世界科学史話』が文字オンリーで、ちょとイメージが湧きづらい。そこでサブテキストとして本書を購入。毎度おなじみDK社が手がけておりクオリティは素晴らしい。やはり写真や図があると、脳に定着しやすくて良い。人体模型や六分儀の載っているページなど、ヴンダーカンマー好きとしては堪らないですな。

岩崎宗治『曖昧の七つの型』研究社

詩を対象とした、文章表現の「曖昧さ」についての研究。1930年に初版が出たものなので、かなり古いのだけれど名著として知られているらしい。岩波文庫版も存在するが価格が高騰しており手に入れづらい。個人的には創作作品中の「曖昧さや仄めかし」といった要素に大変イライラするタチなので、本書を読んで免疫をつけておきたい。

ジャン=ストレフ『フェティシズム全書』作品社

資料集として。「身体の部位・逸脱の人体・感覚器官・体液・下着と装飾品・身体拘束」などについて、豊富な写真を用いて説明してくれる。著者が脚本家・映画監督でもありその種の話が多いのが特徴。反面、学術書ではないので分析的な記述は少ない。フロイトやビネーといった(やや古めかしい)名前が出てくるので何時の本かと思ったら、日本語版は2016年なんだなあ……。

田中達之『アニマンラスト アニメ・マンガ・イラストの作法』復刊ドットコム

Twitterで存在を知った本。漫画やアニメの絵の本質は「記号的表現に対するフェティシズム」である、という一文など、示唆に富む内容が多い。著者の田中達之さんはアニメーション・イラストレーション・漫画と多岐にわたる仕事をこなす人だそうで、その視点もなかなかユニークである。

ニコル=クーリッジ=ルーマニエール『マンガ! 大英博物館マンガ展図録』三省堂

2019年に大英博物館で開催された「マンガ展」の図録。漫画の研究書は多いとは言えず、ことに海外では少ない感じ。(そういえば最近ではニール=コーン『漫画の認知科学』というのが出た。)日本人以外の目から見た「MANGA」って、いったいどんなふうに見えるのだろう、という好奇心から購入。未読。

遠山義孝『人と思想 77 ショーペンハウアー』清水書院

哲学書を読む上で、注釈書を揃えるという計画、五人目はショーペンハウアー。哲学史における重要性は私にはちょっと良くわからないのだけれど、彼のペシミスティックな芸風が好きなのである。とりあえず5冊の入門書を読み終わったら、他の哲学者にも手を出す予定。現時点ではアリストテレス・トマス=アクィナス・パスカル・ヴィトゲンシュタイン・フッサール・ハイデガーあたりが候補。

樋口克己『図解雑学 ニーチェ』ナツメ社

哲学書を読む上で、注釈書を揃えるという計画、四人目はニーチェ。最近、彼の名前が直接言及されることは少ないけれど、「ニヒリズム」とか「ルサンチマン」とか、日常語になっているものも多い。たまに「神は死んだ」「永劫回帰」「超人思想」「力への意志」などといった中二病じみたフレーズも散見されるが、本来の意味はあんまり知らない、という。

ダニエル=カーネマン・ダン=アリエリー・アントニオ=ダマシオ・ライアン=ホリデイ・他『「バカ」の研究』亜紀書房

ホルスト=ガイヤーの『馬鹿について』の日本語訳が1948年。新しい研究はないのかなあ、と思っていたところに出たそのものズバリのタイトル。各ジャンルの著名な学者さんたちに、馬鹿というテーマで執筆依頼あるいはインタヴューしたもの。個人的には、やはり「認知バイアス」が大事なキーワードのように思える。

藤井青銅『「日本の伝統」という幻想』柏書房

ホブズボウム『創られた伝統』と似たような問題意識によって「日本の伝統」を扱った本。紹介されている似非伝統の数々を読むだけでも十分楽しめるが、大事なのは言うまでもなく、なぜ「“伝統”はでっちあげられるのか」という部分。結局これも「支配とビジネス」に都合が良いから、となろうか。

長谷川宏『新しいヘーゲル』講談社

哲学書を読む上で、注釈書を揃えるという計画、三人目はヘーゲル。本の内容とは関係ないが、思うに哲学の“分からなさ”って、直感的に「哲学とはコレコレこういうものである」といった具合に理解することが出来ない部分にあるのではないか。「◯◯とは✕✕である」という答え方は、実はその分野の一通りを概観して初めて言えるものなのだろうけど、哲学史は「概観」するのすら一筋縄ではいかないという困難さ。

石川文康『カント入門』筑摩書房

哲学書を読む上で、注釈書を揃えるという計画、二人目はイマヌエル=カント。どういった基準で選書をしているのかといえば、「20世紀に最も言及された順・哲学者編」から採っている。ちなみに上位20位は以下の通り。カント・アリストテレス・プラトン・ヘーゲル・マルクス・トマス=アクィナス・ハイデガー・ウィトゲンシュタイン・ヒューム・デカルト・フッサール・ニーチェ・ラッセル・サルトル・クワイン・デューイ・ロック・ライプニッツ・アウグスティヌス・ホワイトヘッド。

野田又夫『デカルト』岩波書店

哲学というのは面倒くさくて、読んでもちっともわからないわりには様々な書物で前提として扱われ、あるいは引用されるので全く知らないというわけにもいかず。「古典は注釈書と一緒に読むもの」だ、と『独学大全』に書かれていたので、代表的な哲学者だけはサブテキストを揃えておこう。まずは、「近代哲学の祖」と呼ばれるルネ=デカルト。

借金玉『発達障害サバイバルガイド 「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47』ダイヤモンド社

キャッチフレーズは「日本一意識の低い自己啓発本」。発達障害者でも、比較的まともな生活を維持できるよう、必要なテクニックを集めた本。生活習慣という“文化資本”を十分には受け取ることができなかった身としては、この種のライフハック集が役に立つ。不要な人には、本当にいらない本だろうけれど。