J=Alcock・D=R=Rubenstein『オールコック・ルーベンスタイン 動物行動学』丸善出版

「動物行動学の分野で、世界で40年以上読み継がれてきた教科書の翻訳版」。人間行動の理解の一助として、動物行動学や行動生態学の教科書を一冊持っておきたかったのだけれど、優先順位の問題で購入を後回しにしていたのだ。本書は定価17600円、古書も出回っていないのが困りもの。「迷う理由が値段なら買え、買う理由が値段ならやめとけ」という格言を思い出し、思い切って購入。

ウィル=ストー『ストーリーテリングの科学─脳と心をひきつける物語の仕組み』フィルムアート社

「私たちは、なぜそうするのか、なぜそう感じるのかを、実は知らない。その理由はすべて、脳がでっち上げた作り話にすぎない──それは物語の登場人物にとっても同じである」(惹句より)。「人間の脳と心に注目して、共感を生む物語のしくみを徹底解剖」した本。類書は何冊かあるけれども、比較的手に取りやすい値段だった本書をチョイス。

ケイト=サマースケイル 『恐怖症・偏執狂辞典─世にも奇妙な99の妄想の歴史』国書刊行会

「数々の文学賞に輝く英国のベストセラー作家が、99個の恐怖症と偏執を辞典形式で紹介する、人間の「恐れと狂気」についての読む辞典」(惹句より)。タイトルの通り、神経症辞典のような読み物。私の蔵書の中で近いのはJ=C=カリエール『万国奇人博覧館』あたりだろうか。ふんだんにイラストの使われた、読みやすい一冊。

アルベルト=マンゲル『図書館 愛書家の楽園』白水社

趣味の本。Twitterで存在を知り、好みに合いそうなので古書を注文する。意外と、「図書館」に特化したエッセイを持っていなかったので丁度いい。「なぜ人は書物という形の情報(データや記憶とも言いかえられる)を集め、図書館や書斎を形作るのだろう? 本書はこの問いに始まり、古今東西の実在・架空の図書館を通して、書物と人の物語を縦横無尽に語る。サミュエル・ピープスの書棚の工夫、キプリング、ボルヘス、セルバンテスらの書斎の本、ラブレーやボルヘスらが思い描いた想像の書物と想像の図書館、アントニオ・パニッツィの図書館改革、ナチスやソ連の強制収容所にあった図書室など、数々の興味深いエピソードとともに、あらゆる角度から図書館の歴史に光があてられていく。書物と人の過去・現在・未来を探る、至福のエッセイ。(惹句より)」

北山忍『文化が違えば、心も違う?─文化心理学の冒険』岩波書店

文化心理学の入門書。簡便なものが無かったので、最近上梓された新書を購入。西洋中心に発展した心理学の視座を変え、多文化から相対化してみる、といった内容だと思う。多分。優先順位の問題で、この本もしばらく積読。

Alt236『リミナルスペース─新しい恐怖の美学』フィルムアート社

ハンマースホイやホッパーやボルヘス、キューブリック、サイレントヒルといった作品群に惹かれるのって画面に漂う「ノスタルジア」によるのだと思っていたけれど、どうも違うらしい。新しい美学的概念、「リミナル」というもの、この本で勉強しよう。この本に載っているイメージ、好みのど真ん中である。

DK社(編)・黒川正剛(監)『霊界の書─世界の幽霊・怪奇譚・超常現象』グラフィック社

新刊で、発売後しばらく経つにも関わらずレビューが一つもついておらず、内容が分からない。仕方がないのでギャンブル的に購入。同じくDK社の『魔術の書』を補完する意味で、悪くない内容だと思うのだけれど。特に怪異や霊的現象のビジュアルイメージ資料として使えそうで良い。

ブライアン=クラース『なぜ悪人が上に立つのか─人間社会の不都合な権力構造』東洋経済新報社

「政治家が堕落し、職場にサイコパスがはびこる理由を、進化論や人類学、心理学によって読み解き、権力を腐敗させない方策を示す。(惹句より)」著者は国際政治学者。本棚に悪に関する書物が多い気もするが、本書は「悪と権力」に特化した内容。結構分厚いので積読へ。

ウェイン=F=ミラー『子どもの瞬間』福音館書店

「ウェイン・F・ミラーは、人それぞれの個性を追求するため、その源を、真摯で、豊かな感情と可能性に満ちた子どもの日々に求めました。まず最初に、自分が一番よく知っている子どもたち――自身の四人の子どもに焦点をあて、それからまわりの子どもたちに視野を拡げていきました。アメリカ合衆国のサンフランシスコの対岸に位置する丘の上の町オリンダで学び、成長していったたくさんの子どもたち。その日常生活のさまざまな経験を、ミラーはひとつひとつすくい上げていったのです。1955年から3年にわたって撮られた子どもたちの生き生きとした姿は、40年近くたった現在もページをひらく人にあらたな感動を与えることでしょう。」(惹句より)。“子供たちの日常生活の画像イメージ”参考用として。意外と適当な資料が無い分野なのよね。

岡本裕一朗『思考実験大全』イースト・プレス

積読中。「「世界のバグを見つけてしまったかもしれない。」プラトンからマルクス・ガブリエルまで、哲学者たちの「奇妙な問い」に、あなたの頭はきっとざわつく。読むたびに、現実がほつれていく――古今東西の思考実験100(+1問)を網羅し、出典も明記。思考実験をもとにした奇妙なエピソードと、解説で楽しく読める。この一冊で、一生飽きずに楽しめる、知的冒険の永久保存版」(惹句より)。ジュリアン=バジーニ『100の思考実験』とどう違うかは読んでみないと分からないが、比較して良い方を、最終的に本棚に残すかもしれない。

マーティン=ガードナー・ルイス=キャロル『詳注アリス』 亜紀書房

「全世界のアリス・ファンの尊敬を集める批評家、数学者ガードナーの遺作にして、アリス・マニアの聖典が待望の初翻訳!学魔・高山宏による翻訳でお届けする、伝説のアリスうんちく大全!」(惹句より)。640頁もある分厚い本。資料や挿絵が豊富なので楽しんで読めそう。

アンジェラ=アッカーマン・ベッカ=パグリッシ『感情類語辞典』フィルムアート社

創作者向けの辞典。「本書は、人間の喜怒哀楽を項目化し、それぞれの感情に由来する行動や反応を集めた、創作者のための新しい「類語辞典」です。本書が手元にあれば、お決まりの表現に頼らずに、登場人物をより人間らしくリアルに描き、物語を引っ張っていく魅力的なキャラクターを生み出すことが可能になります」(惹句より)。ちなみに同じような辞典のシリーズが他にも出ていて、「感情増幅類語辞典」「トラウマ〃」「職業設定〃」「場面設定〃」「対立・葛藤〃」「性格〃」などといったものがあるようだ。

稲垣足穂『一千一秒物語』新潮社

積読中。「1920年代(大正末)から1970年代(昭和後期)にかけて、抽象志向と飛行願望、メカニズム愛好、エロティシズム、天体とオブジェなどをモチーフにした数々の作品を発表した。代表作は『一千一秒物語』、『少年愛の美学』など 」(Wikipediaより)。有名な作品なので読まねば、と思いつつ長年後回しになっていたものだけれど、これもとりあえず買って本棚に置いておくことにする。

ロナルド=イングルハート『文化的進化論─人びとの価値観と行動が世界をつくりかえる』勁草書房

積読中。文化心理学関連の興味から購入。「生存への安心感の高まりが戦後の世界の発展を支えてきた。いま排外的な権威主義的ポピュリストが支持されるのは、不平等の拡大による生存への安心感の低下が原因である。世界価値観調査をリードしてきた政治/社会心理学の泰斗が不平等、宗教的原理主義、ポピュリズム、人工知能etcに揺れ動く世界のこれまでとこれからを読み解く」(惹句より)。欲しいと思った本はすぐに読まない場合でも、とりあえず手に入れておかないと絶版になるのだよね……。

ピート=ワームビー『世界は私たちのために作られていない-ASD者の世界の見え方・歩き方』東洋館出版社

「イギリスで話題沸騰!34歳で自閉スペクトラム症と診断された著者による、ASDサポートガイドがついに待望の邦訳」(惹句より)。専門書ではなく、個人の半生記のような内容。読んでいて自分の体験と重なる部分が多く、身につまされる。もう一冊、適当な専門書など併読して知識を補完しておきたいところ。

原研二『グロテスクの部屋─人工洞窟と書斎のアナロギア』作品社

<ルネサンスの爛熟する16世紀イタリアの大貴族の荘園には「グロッタ」という名の人工洞窟が口を開けていた。人工の極みをもって、始源の楽園を造ろうとする倒錯を解き明かす初めてのグロッタ論(説明文より)>。図版がたくさん掲載されている。イメージ資料用に、と古書で購入。ヴンダーカンマーよりもスケールの大きな「人工洞窟」というの、一度実物を見て見たいものである。

マルタン=モネスティエ『図説死刑全書』 原書房

拷問や死刑にまつわる資料を一冊持っておこうと思い、古書で安価に手に入る本書を選ぶ。目次を見ただけでお腹いっぱいになるような文字列が並んでおり、一気に読むのは難しそう。若い頃はこの手の記述を読んでも何も感じなかったのだけれど、最近少し苦手になってきたのが不思議である。映画や小説でも、人が不幸な目にあう話全般、「現実だけで十分」だと感じることが多い。こういう現象にはなにか名前でも付いているのかな。

建築知識(監)『日本の家と町並み詳説絵巻─縄文から平安、戦国、江戸、明治・大正・昭和まで』 エクスナレッジ

日本の街並みついての資料集。ありそうで、意外と手ごろなものが無かった気もする。縄文・平安・戦国・江戸・明治・大正・昭和と各時代の街並みがイラストを中心にして詳しく解説されている。ついでに雑学コラムも掲載。もともと「建築知識」誌に22年から23年にかけて掲載された特集を合本したものらしい。お値段に比して内容が濃いのでお得感があります。似たようなコンセプトの外国版が出たら買うのだけれど。

和田久士『日本の家 1:風土・歴史・ひとが築いた町並みと住まい-近畿』講談社

前に購入した『ヨーロッパの家 1: 伝統の町並み・住まいを訪ねて』 が良かったので、日本編も第1巻を買ってみる。こちらも被写体と写真の撮り方が美的で見ていて楽しい。パラパラと眺めておくだけで、日本の古民家に対するイメージの解像度が上がります。この手の写真はインターネット上にも、あると言えばあるのだけど、不思議と本じゃないと頭に残らないのだよね。なぜこんな現象が起こるのか謎である。

ジャック=ケッチャム『冬の子─ジャック・ケッチャム短篇傑作選』扶桑社

Twitterかなにかの書き込みで存在を知った作家さん。短編集が出たようなので、買って本棚に確保しておこう。グランギニョルとホラー小説について少し調べていたのでその一環でもある。「ペンネームのジャック・ケッチャムは英国の斬首刑執行人に代々受け継がれている名前ジャック・ケッチが由来。 ボストン大学卒業後、俳優、教師、出版エージェント、材木のセールスマンなどの職業を経たのち、1981年に『オフシーズン』で作家デビュー。 賛否両論が激しい作家の一人であり、著名なホラー作家スティーブン・キングによって賞賛される一方、Village Voiceの評論家には、暴力的ポルノ作品であると批判されている。」(Wikipediaより)。ホラー分野に疎くて事前情報が全くないので、素直に楽しむことができそう。

シダルタ=リベイロ『夢は人類をどう変えてきたのか─夢の歴史と科学』作品社

ある一つのテーマについて知りたいときに、よく「~の文化史」といったタイトルの本を探すことが多いけれど、本書は「夢」に関する文化史みたいなものなのかな。買っただけで未読なので確かなことは言えないが、店頭にあるうちに手に入れておかないと、すぐに絶版になって価格が高騰してしまうので仕方がない。著者の経歴が凄いのでハズレはなさそうではある。「シダルリ=リベイロ/ブラジルのリオグランデ・ド・ノルテ連邦大学脳研究所の創設者で初代所長、神経科学科教授。ロックフェラー大学で動物行動学の博士号を取得。研究テーマは、記憶、睡眠と夢、ニューロンの可塑性、人間以外の動物の記号能力、計算精神医学、幻覚剤、薬物政策など多岐にわたる。2016 年、ラテンアメリカ科学アカデミー(ACAL)会員にノミネート。近年は年間5‒6 本の論文を発表(共著含)。神経科学、夢、薬物、政治、教育などについての記事をブラジルの日刊紙や学術誌に寄稿。」

マラン=モンタギュ『フランスの不思議なアンティークコレクション─心くすぐる骨董品が並ぶアトリエや個人美術館』ホビージャパン

タイトルの通り、様々なジャンルの骨董品が掲載された写真集。ヴンダーカンマー好きとしてはつい購入してしまったが、中身のボリュームにしては安価な書籍で良い。著者は本来、イラストレーター・デザイナーを生業としている人のようだ。アンティーク雑貨について詳しくなるためには、ひたすら数を見るしかなく、こういった本でも勉強中である。

小塩真司『「性格が悪い」とはどういうことか―ダークサイドの心理学』筑摩書房

ブライアン=クラース『なぜ悪人が上に立つのか:人間社会の不都合な権力構造』という本が面白そうだったので買おうと思ったのだけれど、ちょっと頁数が多く躊躇する。そういえば似たようなテーマの新書があったなあ、と思い出して本書を購入してみる。ざっと冒頭に目を通してみると、2000年を過ぎたあたりから人間のダークサイドの研究が盛んになったそうで、案外新しい分野らしいね。こっちを読み終えてから、改めてブライアン=クラースの著作を買うかどうか考えよう。

ヘンリー=D=ソロー『森の生活 新装版』宝島社

ソローの『ウォールデン─森の生活』には翻訳がいくつもあるので、どれを買おうか迷っていた。できれば分冊になっていないほうが良いので、宝島社から出ている本書を選ぶ。他と読み比べていないので訳文の良し悪しは分からないけれど、ところどころに動植物の挿絵があり親しみやすい感じ。今回調べて知ったのだけれど、ソローってほぼこの本だけで有名なんだねえ。

ジョージ=ソーンダーズ 『ソーンダーズ先生の小説教室 ロシア文学に学ぶ書くこと、読むこと、生きること』フィルムアート社

「シラキュース大学の創作講座を20 年にわたって担当し、小説家志望の若き学生たちに小説の書き方と読み方を教えてきた(中略)ソーンダーズの名物授業を再現した本」(惹句より)。小説作法やシナリオ講座の類は何冊か持っているが、本書の特色はロシア短編小説を実例として、かなり具体的に小説を分析しているところだろうか。値段の割に600頁もあって、お得感がある。