種村季弘『魔術的リアリズム―メランコリーの芸術』筑摩書房

ノイエザッハリヒカイト(Neue Sachlichkeit)は「1920年代から30年代初頭のドイツにおける、克明な形態描写と社会批判的なシニシズムを特徴とするリアリズム絵画の総称。(Artwords)」。本書はその概説である。地味かつ専門的な内容だけれど、シュルレアリスム好きとしては押さえておきたいところ。掲載されている図版が小さく、モノクロなのが残念。

Mojang AB『Minecraft Amazing Bite Size Builds』Farshore

『Minecraft Bite-Size Builds』の続編。前作同様、小さな建築物の例が載っている。Minecraftは大規模建築を一つだけ建てるよりも、小型建築の数を揃えたほうが見栄えがするような気がする。まあ、巨大な建築物に挑むと、時間がかかりすぎて途中で挫折してしまう、という事情もありますが。

A=R=ホックシールド『タイムバインド: 不機嫌な家庭、居心地がよい職場』筑摩書房

<ホックシールドが調査したある企業ではこうした重要な謎に直面していた。その謎を解明すべく、工場労働者から会社役員まで男女問わず様々な人にインタビューをしていき、分かったのは「職場にいる時間を減らしたくない、家にいたくない」という社員の存在であった>。この一文だけで面白そう。個人的には「家にいたい」タイプなので、「帰宅拒否症」のような心理が理解しがたかったのだよね。500ページもあるので、ボチボチ読んでいこう。

谷川多佳子『メランコリーの文化史 古代ギリシアから現代精神医学へ』講談社

メランコリーの文化史、というタイトルそのまんまの内容である。古代ギリシアから現代精神医学まで、「憂鬱」の概念がどう変遷してきたのか、教科書的な筆致で述べられる。ありそうで意外と見かけなかった内容なので、一読しておくことにする。著者は心理学や精神医学の人ではなく、17世紀フランス哲学が専門の哲学の先生だそうです。

小池壮彦『心霊写真 不思議をめぐる事件史』宝島社

「心霊写真」の文化史を知りたくなったので安価な文庫本を一冊注文してみる。読書の優先順位は低く、しばらく積ん読になりそうなのだけれど、目次にだけでもざっと目を通しておく。この本、主に日本の事象を扱っているようだなあ。できれば世界中の心霊写真について網羅した本が良かったのだけれど。ともあれ大著に挑戦する前に、本書で予習をしておくのも悪くなさそう。

るろうに『心が疲れない「正しい」休み方』KADOKAWA

こころの疲れをメンテナンスする方法を集めたChips集。「実は、心が疲れた時と体が疲れた時とでは、適切な休み方が違います。」「なぜかというと、デスクワークで溜まった疲れは、スポーツ後のような筋肉をたくさん動かした疲労とは違うからです。」(「はじめに」より)。さもありなん。ところで著者はユーチューバーの人らしく、名義もハンドル(ネーム)っぽい。ちかごろはネット界隈から出てくる本も増えているようで、時代の変化を感じることです。

ホルヘ=ルイス=ボルヘス『記憶の図書館: ボルヘス対話集成』国書刊行会

1984年~85年にかけてラジオ放送された、ボルヘスとオスバルド=フェラーリの対談集。700ページ近くある分厚い書物であり、お値段もそれなりに張る。本当はウラジミール=プロップ『昔話の形態学』を手に入れようと思っていたのだが、急に値上がりしてしまったのでこちらを先に購入することに。少し古い本は価格が安定しないので、手の届く範囲のお値段であれば買っておいたほうが良いなあ……。文庫本が出そうにもない専門書やマイナーな分野の著作ならば、なおさらである。

サラ=ブラウン『ネコの博物図鑑』原書房

もともと買いたい本のリストにはあったのだけれど、先ごろ猫を飼いだしたので前倒して購入。猫に関する本は星の数ほどあって悩むが、造本が美しく図版も多くて、記述の学術性もありつつも専門的にすぎない本書をチョイス。初版も2020年11月で情報も新しそう。なにより「博物学」的な体裁が私好みである。ちなみに同シリーズには他に『イヌの博物図鑑』『ウマの博物図鑑』などもあるようだ。

青木和夫(編)『名作あらすじ事典―西洋文学編』明治書院

「本の購入予定リスト」の中に国書刊行会が出している『世界文学あらすじ大事典』(全4巻)というのがあるが、このシリーズ、一冊19800円もする。全巻揃えると79200円という大変な金額になってしまい、とても手が出ない。そんな時にAmazonを眺めていたら、似たようなコンセプトで編まれたらしい『名作あらすじ事典』なるものを見つけた。とりあえずこっちを本棚に入れておくことにしよう。

村中直人『〈叱る依存〉がとまらない』紀伊國屋書店

<これまでなんとなくうっすらと感じていたことをを、スッキリ言語化して整理して提示してくれました。「叱る」という行為は、自分の行動が相手の望ましい行動を引き出していると感じる体験であり、自己効力感を高める。そして誰かを罰するときには、脳の報酬系が活性化する。これらの「報酬」が人を「叱る」という行動に駆り立て、依存症に近い状態を作り出すと言う指摘には、腹落ちしすぎてお腹壊しそう。>(「読書メーター」の感想文より)

Mojang『Minecraft Bite-Size Builds』Farshore

Mojangの公式本。今のところ邦訳が無いので英語版を購入。ゲームの特性上、建築に関する本は多いのだけれど、本書は「小型建築」に特化した珍しいガイドブック。何も考えずに建物を作っていると、どうしても施設が肥大化していきがちで、小さな建築物のお手本は有難い。“Amazing Bite-Size Builds”という続刊も出版予定らしい。

ランドルフ=M=ネシー『なぜ心はこんなに脆いのか: 不安や抑うつの進化心理学』草思社

副題に「不安や抑うつの進化心理学」とあるけれど、内容は「進化精神医学」の概説である。そもそも精神病とは何か、なぜそんなものが存在するのか、といった根源的な問題を進化的な観点から解明することを目指す。原題は“Good Reasons for Bad Feelings: Insights from the Frontier of Evolutionary Psychiatry”。同著者の『病気はなぜ、あるのか―進化医学による新しい理解』という本も気になるなあ。

ダニエル=アクトス『なぜ意志の力はあてにならないのか―自己コントロールの文化史 』NTT出版

副題に「自己コントロールの文化史」とあるように、心理学の本というよりはインテレクチュアル=ヒストリーのような内容なのかもしれないけれども、分類は一応「心理」の棚へ。自己コントロールの概念は「行動分析学」や(哲学的な意味での)「自由意志」など、私の興味関心に近しいテーマで、専門の本を一冊は持っておきたかったのだ。ともあれ、この本もしばらく積ん読になりそうな気配。

宇都宮美術館・兵庫県立美術館・Bunkamuraザ=ミュージアム・東京新聞(編)『ベルギー奇想の系譜 [図録] 』 ‎ 東京新聞

2017年に(宇都宮美術館・兵庫県立美術館・Bunkamuraザ・ミュージアムで)開催された「ベルギー奇想の系譜 ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで」展の図録。1000円で売られているのを見つけて即買い。私好みのシュールで変な絵がチョイスされており満足度が高い。ロップスやクノップフ・アンソール・デルヴォーなど、有名どころの画家も多く紹介されている。

佐藤直樹(監)『ヴィルヘルム・ハマスホイ 沈黙の絵画』平凡社

「ヴィルヘルム・ハンマースホイ(1864年5月15日–1916年2月13日)は、デンマークの画家。(中略)作品としては、白・黒・灰色を基調とした抑えた色調で、時間の止まったような静寂な空気を感じさせる細密なタッチの室内画が中心である(Wikipediaより)」。手元においておきたい画集を徐々に買い集めている。次に欲しいのはゾンネンシュターンあたりかしらん。どうも、情動に訴えかけてくる作風が好みらしい。

シルビナ=オカンポ『蛇口 オカンポ短篇選』東宣出版

「世界的作家ホルヘ・ルイス・ボルヘスの盟友、アルゼンチンを代表する作家のひとりビオイ・カサーレスの妻、アルゼンチンでもっとも裕福な女性のひとり、そして20世紀スペイン語文学におけるもっともエキセントリックな小説家、シルビナ・オカンポ。1937年のデビュー作『忘れられた旅』から1970年の『夜の日々』までに書かれた5つの短篇小説集をもとにして編んだ日本独自の短篇選集(惹句より)」。面白そうな本は取り敢えず買って、積んでおこう。

中村明『日本語 描写の辞典』東京堂出版

歳時記を手に入れたのと似たような動機で購入。つまり語彙を増やし表現力を少しでもマシにするため。本書は自然・人物・心理の文章表現について、近代文学の名描写から採られた例文を掲載した辞典である。私はあまり文学作品を読まず、読んだとしても海外小説の翻訳が多いので、日本語の文学的レトリックには疎いのだよねえ……。

Mojang『Minecraft 図解組み立てガイド 〜中世の要塞〜』技術評論社

趣味の本。2016年11月に公式から出版された、中世ヨーロッパ風要塞(と村落)建築のガイドブック。Minecraftの本はたくさんあるけれども、完成度が高いのはやはりMOJANG謹製のものである。いずれゲーム本体のバージョンアップが落ち着いたら、『Minecraft大百科事典』のような、分厚くて所有欲をそそる書物を作ってほしいものである。780ページとかあると良し。

石寒太『ハンディ版 オールカラー よくわかる俳句歳時記』ナツメ社

普及版の小さな歳時記。俳句を趣味とするわけではないが、この本を書架に入れておく理由は次の通り。一、単純に語彙を増やすため。二、カラー写真が多く掲載されており、脳内の画像イメージを増やすのに好適。三、名句と呼ばれるものが大量に載っており、俳句の基礎知識を得るのに便利。

デイヴィッド=J=リンデン『あなたがあなたであることの科学 人の個性とはなんだろうか』河出書房新社

「個性」とはなにか、考えるために。ダニエル=ネトル氏の『パーソナリティを科学する』も良い本だけれど、こちらは(心理学的な観点から見た)性格特性の解説であってテーマがちょっと異なる。もっとこう、学際的な個性研究に特化した本がないかと探したところ、ちょうど本書が発売に。読んでいると自分が「個性」という言葉をいかに漠然と使っていたか思い知らされる。個性の概念の解像度が上がる本。

ダニエル=C=デネット『解明される宗教 進化論的アプローチ 』青土社

宗教に関する本は3冊持っていて、『宗教社会学』は「スタンダードな教科書」。『教養としての宗教入門』は「各論としての宗教基礎知識」。『西洋人の「無神論」日本人の「無宗教」』は「無神論についての基礎知識」といった位置づけ。もう一冊、進化論的なアプローチから見る宗教論である本書を追加。分厚いのでしばらく積ん読になりそう。

吉田敬『社会科学の哲学入門』勁草書房

いきつけの書評webサイトで知った本。科学哲学の中でも社会科学の固有性や特徴を論じる。こんな学問分野があることすら知らなかったが、私の本棚は社会科学の書物がほとんどなので早速購入。『疑似科学と科学の哲学』で簡単な科学哲学の基礎は学んだので、なんとか読みこなせるだろう。

ポール=ジョセフ=ガリーノ・コニー=シアーズ『脚本の科学 認知と知覚のプロセスから理解する映画と脚本のしくみ』フィルムアート社

「本書は認知神経科学の観点からすぐれた映画脚本とはどういう脚本かを解明しようとしたこれまでにないユニークなコンセプトの本である(訳者あとがきより)。」内容をざっと見る限り専門書というよりもハウツー本に近い感じだけれど、他に類書も見当たらない。「認知科学から見た脚本論」については、本格的な論考が出るまではこの本で我慢。

植原亮『思考力改善ドリル: 批判的思考から科学的思考へ』勁草書房

「論理的に考える」とはどういうことか、具体的な例でもって教示してくれるテキスト。二重プロセス理論・認知バイアス・演繹/帰納・対照実験・反証可能性などなど、よく出てくる概念を整理して理解することができる。科学史上有名な事例が設問として取り上げられていることが多く、その点でも勉強になります。

パイ=インターナショナル(編)『世界の不思議な街の空から』パイ=インターナショナル

某大型書店の「写真集」の棚を眺めていて見つけた本。先日買った『ドローン鳥瞰写真集 住宅街・団地・商店街 』と似たような構成の写真集だけれど、こちらは世界各国の街を空撮したもの。上空から俯瞰して見ると、その構造が良くわかって楽しい。この本も脳内の映像イメージを増やすための参考資料として利用する。