水野一晴『世界がわかる地理学入門――気候・地形・動植物と人間生活』筑摩書房

新書の地理学入門書。地理学(地学に非ず)これ一冊といった分厚いテキストを探したのだけれど、どうも良さげなものが見つけられず、とりあえず薄いものから読む。地理学は自然地理・人文地理に分かれるそうだが、本書はどちらも扱う。同著者の『自然のしくみがわかる地理学入門』『人間の営みがわかる地理学入門』も面白そう。

ニコラス=G=カー『ネット・バカ インターネットがわたしたちの脳にしていること』青土社

インターネットの普及によって、人間の思考はどのように変化するのか。探してみたら、そのものズバリのテーマを扱った本書を発見。図書館と書店しか情報源が無く、紙のノートしか記録媒体がなかった時代と比べ、明らかに「何かが」変わっている実感があるのだけれども。しかし邦題がひどい。原題は『THE SHALLOWS(浅瀬)』である。

ポール=ラファルグ『怠ける権利』平凡社

「一日三時間以上働くと人間は不幸になる」。19世紀末にフランスの社会主義者ラファルグが唱えた言葉です。このラファルグはマルクスの娘と結婚するときに義父のマルクスに金の無心までしており、マルクスが「まじめに働きなさい」というお説教の手紙を送ったほどの筋金入りの主義者でした(出版社からのコメントより)。この一文だけで笑える。

金子大輔『図解 身近にあふれる「気象・天気」が3時間でわかる本』明日香出版社

『こども六法』と一緒に購入。買った理由も同様で、「気象学」を本格的に学ぶつもりはないけれども基礎的なことは知っておきたい、という動機。岩波ジュニア新書や図解雑学シリーズなどにも言えることだけれど、入門書ほどわかりやすく書くのが難しく、結果良質な本が出来上がることが多い気がする。

山崎聡一郎『こども六法』弘文堂

よく売れているという、子供向け法律入門。法学関係の書籍は『はじめて学ぶ法哲学・法思想』しか持っておらず、もう少し勉強しなければと思うのだけれど、時間の都合上この小冊子を読んでお茶を濁しておく。とはいえ子ども向けの本には良い物が多く、なかなか侮れない。

ジョーゼフ=キャンベル『千の顔をもつ英雄(上・下巻)』早川書房

神話物語の構造分析。物語研究の基礎文献なので特に考えることもなく購入。著者が神話学者なのでとりあえず「社会科学」の棚に入れておこう。ところで、ウラジミール=プロップ『昔話の形態学』とジェラール=ジュネット『物語のディスクール―方法論の試み』も必要なのだがこの二冊は古書価格が高価すぎて手が出ない。

ダニエル=ネトル『幸福の意外な正体 ~なぜ私たちは「幸せ」を求めるのか』きずな出版

「ダニエル・ネトルの『目からウロコの幸福学 Happiness: The Science Behind Your Smile』、長らく絶版で古書価格高騰してましたが、改題新訳で別社から(全く別の本っぽい装いで)出たようです」という情報を耳にし、さっそく注文。昔から「幸福論」の類は数多いが、これはその最新版である。

ショーン=キャロル『この宇宙の片隅に ―宇宙の始まりから生命の意味を考える50章―』青土社

「世界的な理論物理学者が、ダーウィン、アインシュタインから、生命、意識、宇宙の起源までを縦横無尽に語り、この宇宙でわれわれが生きる意味を解き明かす」(惹句より)。この種の本は定期的に出版されていると思うけれど、比較的新しい(といっても2016年)本書を。『2100年の科学ライフ』と併せて読んでおこう。

アン=ブレア『情報爆発-初期近代ヨーロッパの情報管理術』中央公論新社

文書情報管理に関するインテレクチュアル=ヒストリー。少々高価な本だけれど、必要なので購入。爆発的に増え続ける情報(本)をどう取捨選択・管理すべきか、というのは読書家が誰しも突き当たるであろう課題。それどころか近世ヨーロッパの時代にすでにこの問題が存在したというお話。

ミテイラー千穂『サウンドパワー わたしたちは、いつのまにか「音」に誘導されている!? 』ディスカヴァー・トゥエンティワン

『頭が良くなる照明術』『色の秘密 色彩学入門』などと同じく、自室の環境をどう整備したら良いのかを考えるために読んでおく。しかし住んでいる場所の環境音は如何ともしがたく、響く電車や救急車の騒音、近所の犬の遠吠え、酔っぱらいの罵声などの音に囲まれた我が生活。

ブルース=ブエノ=デ=メスキータ・アラスター=スミス『裁者のためのハンドブック 』亜紀書房

キワモノめいたタイトルだが、内容は「権力支持基盤理論」の一般向け解説であり、ちゃんとした政治学の本。有斐閣の『政治学 補訂版』(教科書)だけでは勉強の用には不足なので、これを補うために。権力者の、一見不合理に思える行動原理について大変に理解しやすくなる。

カール=イグレシアス『「感情」から書く脚本術 心を奪って釘づけにする物語の書き方 』フィルムアート社

『素晴らしい映画を書くためにあなたに必要なワークブック』『シナリオの基礎技術』などといった有名なシナリオ作法の本で物足りないのは、「いかに飽きさせないか」「どうやって情動をコントロールするか」といった、エンターテイメント的な側面については十分には説明してくれていないところ。本書はその辺を補うために購入。

スティーブン=スローマン・フィリップ=ファーンバック『知ってるつもり――無知の科学』早川書房

タイトルからは内容が想像しにくいのだが、認知心理学的なアプローチによる、人間の知性の本質についての論考。一個人の知性以上に所属社会や職業集団の及ぼす影響のほうが重要なのではないかなあ、などと漠然と考えていたのだけれど、そのあたりの疑問を明瞭にしてくれる一冊。しかし近頃進化心理学と認知心理学の本ばかり読んでいるような。

ケイト=マン『ひれふせ、女たち:ミソジニーの論理』慶應義塾大学出版会

「ミソジニー」についてまとめられた初めての研究書。先ごろ邦訳が出たのでさっそく購入。2010年に出版された上野千鶴子『女ぎらい―ニッポンのミソジニー』は論文というよりも随筆に近い内容だったので(それが悪いわけでは無論ないけれども)より包括的な記述の本書と入れ替え。著者のケイト=マンは哲学・倫理学者である。

エドワード=グレイザー『都市は人類最高の発明である』NTT出版

経済学の教授による都市論。私の本棚の分類では、本書も「地図の歴史」「音楽の歴史」「医療史」などと同様に、インテレクチュアル=ヒストリーの一種として扱う。従ってカテゴリーも「歴史」になっている。さて、他にはどういった主題の書物を書架に加えるか悩む。とりあえずアン=ブレア『情報爆発-初期近代ヨーロッパの情報管理術』は決定済。

スティーブ=パーカー『医療の歴史:穿孔開頭術から幹細胞治療までの1万2千年史』創元社

「音楽史」の次は「医療史」。医学関係の書籍は『メルクマニュアル』『解剖学カラーアトラス』だけしか持っておらず、通史の類を読む必要を感じ、比較的新しい本書をチョイス。この分野に更に興味が出るようであれば、病理学や薬理学などといった方面に手を伸ばすことにしよう。

ハワード=グッドール『音楽の進化史』河出書房新社

以前アン=ルーニー『地図の物語』を購入したが、それと同様に特定分野の「インテレクチュアル=ヒストリー(精神史)」とでも呼ぶべき書物を本棚に入れておくことにする。手始めに「音楽史」の中でも面白そうだった本書を。選書の方針としては、“専門書を読むほど興味があるわけではないが基礎知識くらいは押さえておきたいテーマ”を選ぶことになりそう。

川崎悟司『カメの甲羅はあばら骨 ~人体で表す動物図鑑~』SBクリエイティブ

「人間が動物の骨格を持っていたら、どういった姿になるか」というテーマで編まれた小さな読み物。ハラルト=シュテュンプケ『鼻行類』やドゥーガル=ディクソン 『アフター・マン』のような“空想科学生物学”を思い出させる内容である。怪物や妖怪といったものに興味のある私にとってはマストバイ。

アレクサンダー=トドロフ『第一印象の科学――なぜヒトは顔に惑わされてしまうのか?』みすず書房

「顔の価値」に関する最先端の知見を学ぶ。著者はプリンストン大学の心理学者である。いわゆる「ルッキズム」に関しては社会生活に多大な影響を与える割に、きちんと分析されてこなかった印象。容易に差別と結びつきそうな研究対象だから、なかなかデリケート。昔は日本にも骨相学などという分野があったようだけれど。

辻調理師専門学校(監)『完全改訂版 食材大図鑑 Marche』講談社

1995年に出版された『料理材料大図鑑 マルシェ』を20年ぶりに改訂したもので、主な食材と調味料・スパイスが網羅された図鑑。調理素材についても少しは知っておきたく、購入。古書で安く手に入れられたのでホクホクである。ところで『世界料理図鑑』のようなものも欲しいのだが、相変わらず見つけることができない。

岸本裕史『見える学力、見えない学力』大月書店

教育論の名著と呼ばれる一冊。1981年の初版から数えて現在74刷である。『(前略)アジア各国から来ている留学生たちは言っています。「今私たちの国は劣っていて貧しいです。しかし、日本の大学生はちっとも勉強しませんね。ドライブ・バイト・ゴルフやナンパばかりしています。三十年したら、日本はだめになっています。私達の国のほうが、ずっとよくなります」(中略)留学生たちが異口同音に予言していることが的中しないことを願って刊行いたします。』

船津徹『世界標準の子育て』ダイヤモンド社

Twitterで知った本。私の中では『人はいかに学ぶか』『見える学力、見えない学力』と一緒に並べておきたい内容。「子育て」に関する本は数限りなく出版されているが、本書は論旨と根拠が明快に思えたので購入してみる。<「人に迷惑をかけるな」で、自尊心の低い子に>(p58)。なるほど納得。

井村君江『ケルトの神話―女神と英雄と妖精と』筑摩書房

『中世騎士物語』と一緒に読むために購入。青銅器時代、中央アジアからヨーロッパへと渡来した民族が「ケルト神話」を残す。これにキリスト教文化がミックスされ、中世ヨーロッパに「騎士道ロマンス」が成立したそうな。ほかの地域の神話も読みたいものだが、数が多くてなかなか大変。「神話辞典」の類で代用したほうが良いだろうか。

ブルフィンチ『中世騎士物語』岩波書店

トマス=ブルフィンチという人を知らなかったのだけれど、Wikipediaによれば18世紀から19世紀にかけて活躍したアメリカ合衆国の作家だそう。まあ、それはともかく「アーサー王伝説」「マギノビオン」「英国民族の英雄伝説」の概要を収録したのが本書。西洋文学史を学ぶ上での基礎文献でもあり、昨今流行の「中世風ファンタジー小説」の元祖でもある。

トーマス=C=フォスター『大学教授のように小説を読む方法』白水社

ありそうで意外と無かった初心者向けの文学読解方法論。私の子供の頃は「小説は心の感じるまま、自由に読むべきだ」式の、何の役にも立たないどころか有害ですらある国語指導方法が多かった記憶。優先順位の問題でしばらく積ん読になりそうだが、読了したら改めて記事を書き直す。