ブライアン=クラース『なぜ悪人が上に立つのか─人間社会の不都合な権力構造』東洋経済新報社

「政治家が堕落し、職場にサイコパスがはびこる理由を、進化論や人類学、心理学によって読み解き、権力を腐敗させない方策を示す。(惹句より)」著者は国際政治学者。本棚に悪に関する書物が多い気もするが、本書は「悪と権力」に特化した内容。結構分厚いので積読へ。

ロナルド=イングルハート『文化的進化論─人びとの価値観と行動が世界をつくりかえる』勁草書房

積読中。文化心理学関連の興味から購入。「生存への安心感の高まりが戦後の世界の発展を支えてきた。いま排外的な権威主義的ポピュリストが支持されるのは、不平等の拡大による生存への安心感の低下が原因である。世界価値観調査をリードしてきた政治/社会心理学の泰斗が不平等、宗教的原理主義、ポピュリズム、人工知能etcに揺れ動く世界のこれまでとこれからを読み解く」(惹句より)。欲しいと思った本はすぐに読まない場合でも、とりあえず手に入れておかないと絶版になるのだよね……。

E=リード=ロス『世界の奇習と奇祭─150の不思議な伝統行事から命がけの通過儀礼まで』原書房

Twitterで存在を知った本。「赤ん坊に唾を吐きかける、蟻に噛まれる儀式、殺人凧揚げ……。世界各地に残る、現在まで連綿と受け継がれてきた嘘のような伝統行事、理解不能の風習、過激な祭り、そして愉快な馬鹿騒ぎの数々をユーモアある筆致で一挙紹介。(惹句より)」一応は文化人類学の棚に入りそうな内容だけれど、学術書というよりはやや「読み物」よりか。雑学知識を増やすために読んでおく。

ジュリアン=ジェインズ『神々の沈黙─意識の誕生と文明の興亡』 紀伊國屋書店

「二分心仮説」は前2000年紀末まで人類は意識を持っていなかった、という驚愕のお話。「本書を読み終えたばかりの私は、キーツの描くコルテスになって太平洋の大海原を眺めているような気がする。いや、少なくとも、ダーウィンかフロイトの著作を最初に読んだ書評家のような気分だ」(惹句より)。『廃棄された宇宙像』と併読するために購入する。古代や中世の「世界観」について興味が出てきた為。

C=S=ルイス 『廃棄された宇宙像: 中世・ルネッサンスへのプロレゴーメナ』八坂書房

「ファンタジーの名著『ナルニア国年代記』の著者として知られるC.S.ルイスが、中世の諸文献に現れるさまざまな寓意・暗喩・象徴に秘められた意味を読み解きつつ、明晰な展望のもとにそれらを一つの明確な<宇宙像>として結晶させた名著」(惹句より)。そういえば同じファンタジー作家のJ=R=R=トールキンさんも学者だったなあ。昔話や童話などを読むときの“解像度”を底上げするため、読んでおく。(※プロレゴメナ:ギリシア語の prolegomenonの複数形で,「前言」「序文」「序説」などの意。哲学書などの表題として用いられる。)

ジェフリー=ウィークス『セクシュアリティの歴史』 ‎ 筑摩書房

バタイユの『エロティシズム』の頁に以下のように書いた。<「性愛研究の現在」を概観できる本を探したけれども見つからなかったので、とりあえず古典的なバタイユから読んでみる。」>このほど文庫本でよさそうな概説書が出たので、さっそく買ってみる。優先順位の関係でしばし積読になりそうだけれど。

ジョナサン=マレシック『なぜ私たちは燃え尽きてしまうのか』青土社

副題は「バーンアウト文化を終わらせるためにできること」。扱っているテーマに惹かれて買っておくけれど、しばらく積読になりそうなので内容には触れられず。話は関係ないけれども、買いたいときに見逃したまま絶版やら値段高騰などの憂き目にあうことが多く、「とりあえず入手しておく」ことの大事さを感じる昨今である。

サー=ジェームズ=ジョージ=フレーザー(著)・メアリー=ダグラス(監)・サビーヌ=マコーマック(編)『図説 金枝篇』東京書籍

“『金枝篇』はイギリスの社会人類学者ジェームズ・フレイザーによって著された未開社会の神話・呪術・信仰に関する集成的研究書である。(中略)完成までに40年以上かかり、フレイザーの半生を費やした全13巻から成る大著である。”(Wikipediaより)有名な著作なんだけれど、原典は読むにはあまりに長大に過ぎるため、本書でお茶を濁しておこう。

クリストァー=ブラットマン『戦争と交渉の経済学』草思社

原題は『Why We Fight』で、戦争の起こる原因を多角的に論じた書物。評判が良かったので買っておく。著者は「シカゴ大学ハリス公共政策大学院教授。同校の開発経済センターの副センター長を務めている。経済学者、政治学者であり、その暴力、犯罪、貧困に関する世界的な研究」で有名だそう。これもしばらく積ん読になりそうだなあ。

A=R=ホックシールド『タイムバインド: 不機嫌な家庭、居心地がよい職場』筑摩書房

<ホックシールドが調査したある企業ではこうした重要な謎に直面していた。その謎を解明すべく、工場労働者から会社役員まで男女問わず様々な人にインタビューをしていき、分かったのは「職場にいる時間を減らしたくない、家にいたくない」という社員の存在であった>。この一文だけで面白そう。個人的には「家にいたい」タイプなので、「帰宅拒否症」のような心理が理解しがたかったのだよね。500ページもあるので、ボチボチ読んでいこう。

ダニエル=C=デネット『解明される宗教 進化論的アプローチ 』青土社

宗教に関する本は3冊持っていて、『宗教社会学』は「スタンダードな教科書」。『教養としての宗教入門』は「各論としての宗教基礎知識」。『西洋人の「無神論」日本人の「無宗教」』は「無神論についての基礎知識」といった位置づけ。もう一冊、進化論的なアプローチから見る宗教論である本書を追加。分厚いのでしばらく積ん読になりそう。

吉田敬『社会科学の哲学入門』勁草書房

いきつけの書評webサイトで知った本。科学哲学の中でも社会科学の固有性や特徴を論じる。こんな学問分野があることすら知らなかったが、私の本棚は社会科学の書物がほとんどなので早速購入。『疑似科学と科学の哲学』で簡単な科学哲学の基礎は学んだので、なんとか読みこなせるだろう。

ロバート=ウィンストン(編)・石井米雄(監)『人類大図鑑』ネコ・パブリッシング

2006年に出版された少し古い図鑑だが、意外と類書がない。まあ、言ってみればすべての書物は「人類について書かれたもの」だから、一冊の本としてまとめるの、分量的に無理があるのかもしれない。図鑑だけあって大量の写真が載っており、(脳内の)ビジュアルイメージを増やすのに好適。内容も網羅的かつ学術的で文句なし。

吉野裕子『陰陽五行と日本の民俗 新版』 人文書院

吉野裕子さんの著作、『日本古代呪術 陰陽五行と日本原始信仰』が大変良かったので、ちょうど新装版が出たばかりの本書も買っておく。著者によれば日本の宗教や風習を理解するには、中国から来た「陰陽五行説」という考え方を理解しなければいけないらしい。民俗学を学ぶための基礎教養として抑えておこう。

マイケル=サンデル『実力も運のうち 能力主義は正義か?』早川書房

『ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論』もそうだったけれど、漠然と感じていたことを明確に言語化してくれる本は良い。タイトルを見た瞬間に購入を決定したのだけれど、著者名を見ると、政治哲学で有名なマイケル=サンデルさんなのね。彼の本を読むのも初めてなのでちょっと楽しみである。

石川明人『戦争は人間的な営みである―戦争文化試論』並木書房

タイトルが面白そうだったので、古書で買ってみる。ざっと目次を眺めたかぎり、学術書ではなく一般書かしら。常々「人間ってどう考えても争いや戦争が嫌いではないよなあ」と感じていたので、その辺りの心理が分析されているといいなあ、と思いつつ、積ん読棚へ。

前田泰樹・水川喜文・岡田光弘(編)『エスノメソドロジー―人びとの実践から学ぶ』新曜社

「エスノメソドロジー」は社会学の用語らしいのだけれど、どうも意味が良くわからず、専門の本を買ってみる。しかし急いで必要な知識でもなく本書もしばらく積ん読になりそうな予感。【エスノメソドロジー】社会の成員が日常生活を構成していく際に用いている方法 (エスノメソッド) を研究する社会学。 A.シュッツや L.ウィトゲンシュタインの影響を受けた H.ガーフィンケルが,既成の社会学 (構造機能主義) を批判していく中で提唱した立場。人々の行為や発話は状況依存・文脈依存的であり,日常的な相互行為の中で絶えず意味を生成している,という考えから,人々がどのようにして日常生活世界の自明性 (共通に知られた性格) を獲得するようになるのかを確定しようとする(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)。

安酸敏眞『人文学概論(増補改訂版)』知泉書館

これも読書猿さん推奨の本。「人文学とは何か」なんて、考えたこともなかったなあ。辞書的には「人間・人為の所産を研究の対象とする学問」だそうだけれど、これだけではちっとも分からない。私の知的興味の中心は心理学や文学など、人文科学そのものだから、本書は読んでおかねばなるまいな。

トム=ニコルズ『専門知は、もういらないのか』みすず書房

最近出た本で、「反知性主義」について扱ったもの。このジャンルの書物ではリチャード=ホーフスタッター『アメリカの反知性主義』などが有名らしいけれど、ちょっと日本におけるソレとは意味合いが異なる気がしていたのだ。本書の方がより普遍的な内容に思えるので、こちらをチョイスして本棚に入れておくことにする。

W=キムリッカ『新版 現代政治理論』日本経済評論社

英語圏の大学ではスタンダードな政治哲学のテキストの一つだそう。「政治学」のほうの教科書としてはすでにNew Liberal Arts Selectionの『政治学』という非常に分かりやすい本を持っているのだけれど、「政治“哲学”」の基礎文献を持っていなかったのだ。両方でワンセットとして扱おう。しかし、例によってかなり分厚く、読了まで時間がかかりそう……。

藤井青銅『「日本の伝統」という幻想』柏書房

ホブズボウム『創られた伝統』と似たような問題意識によって「日本の伝統」を扱った本。紹介されている似非伝統の数々を読むだけでも十分楽しめるが、大事なのは言うまでもなく、なぜ「“伝統”はでっちあげられるのか」という部分。結局これも「支配とビジネス」に都合が良いから、となろうか。

エリック=ウィリアムズ『資本主義と奴隷制』筑摩書房

産業革命は奴隷制による収奪の上に成立したのであって、「プロテスタンティズムの倫理」によって成されたのではない、という主張。大著であり、しばらく積ん読になりそう。内容が重苦しそうだから、読むのに気力が必要だろうなあ。調べてみたらこの本、1944年に書かれており、ずいぶんと古い。

デヴィッド=グレーバー『ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論』岩波書店

ちかごろ話題の本。無意味で生産性のない仕事ほど高賃金である反面、重要で基礎的な労働ほど軽んじられているのは何故か。みんな感じてはいるけれど、ある種のタブーになっている問題に切り込んでいる。「部屋の中の象(みんなが見て見ぬふりをしている重大な問題)」という言葉がピッタリ。

マシュー=サイド『失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織』ディスカヴァー・トゥエンティワン

1984年に出版された『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』という有名な本がある。いずれ読まねばなあ、と思っていたのだが、2016年に似たようなテーマで新しい本が出ていた。しばらく積ん読になりそうな気がするが一応手に入れておく。思いついた時に買っておかないと、すぐに絶版になったり価格が高騰したりするからねえ。

マリオン=モンテーニュ『リッチな人々』花伝社

毛色の変わったマンガ本で、惹句によれば「世界一わかりやすいブルデュー理論の解説書」となる。本当はきちんとブルデュー『ディスタンクシオン』なぞを読むべきなのだろうけれど、Ⅰ・Ⅱ巻合わせて一万三千円という値段はちょっと高価過ぎる。本書ならば1980円である。