戸田誠二『生きるススメ』宙出版

Web上で発表されていた漫画が面白かったので、試しに単行本を買ってみる。内容はごく地味かつ思弁的な短篇集。絵柄もアッサリしていて好み。しかし、もはや漫画も「雑誌に発表されてから出版される」という形式をすっとばして本になる時代なのだなあ、などと感慨を覚えたことでした。

勝又進『赤い雪』青林工藝舎

水木しげる・つげ義春の両氏が絶賛していたとのことで買ってみる。赤松啓介さんの民族誌と民話を混ぜたような、ファンタジックな読後感を持った作品集。収録されている作品は1970年台に発表されたものが中心でやや古めかしいが、それが懐かしさにつながっているような気もする。

杉浦日向子『百日紅(上・下巻)』筑摩書房

ふと思い立ち、漫画の棚に「歴史もの」を入れようと選んだのは杉浦日向子さんの『百日紅』。北斎と娘の栄をメインに江戸を描いた、著者の代表作。江戸風俗研究科でもある杉浦日向子さんの確かな知識に裏付けられた描写が良い。『百物語』『合葬』など他の作品も、いずれ読んでみたいものだ。

藤のよう『せんせいのお人形(1~3巻)』KADOKAWA

「読書猿」氏推奨の漫画で、Web版の続きを読むべく購入。「なぜ読書をするのか、しなければならないのか」という問いに良く答える内容。ところで最近、意図的に漫画本を増やしているのだけれど、次は何を読もう。まだ本棚に置かれていない分野は、アクションやファンタジィ、実験的な漫画などか。

中山昌亮『不安の種(全3巻)』秋田書店

純粋な「ホラー漫画」というジャンルも本箱に置いておきたく、適当に探す。水木しげる・楳図かずお・伊藤潤二各氏らの作品も候補に上がったが、最終的には比較的新しい本作に決定。なぜこのマイナーな作品を選んだのかといえば現代版遠野物語のような雰囲気に惹かれたからである。物語に理路があると怖さが半減するしなあ。

矢口高雄『おらが村』山と渓谷社

半世紀ほども前に描かれた漫画の復刊、ものすごく分厚い。東北の寒村での生活を記録した作品。最近民俗学がらみの本を読んでいたので、これをチョイス。漫画棚にはもっと多様なジャンルを集めておきたいのだが、なにしろ刊行点数が多すぎて選書もままならない。

近藤ようこ『見晴らしガ丘にて それから』ホーム社

「『見晴らしが丘にて』は、二十代後半の仕事でした。それから三十五年後の見晴らしが丘を描きました。前作に出てきた人も、そうでない人もいますが、作者が年をとったせいか、平均年齢が高くなったようです。」(「あとがき」より)。続刊が出たら買って揃えておかないと、どうにも落ち着かない。

森泉岳土『セリー』KADOKAWA

近頃「ツイッター」でも情報を集めるようになり、そのおかげで名前を知った漫画家さん。絵柄と紹介文が気になり、とりあえず最新作を買って読んでみる。取り扱っているテーマが「読書」あるいは「本」らしいので、私の好みから大きく外すことも無いだろう。

近藤ようこ『見晴らしガ丘にて 完全版』青林工藝舎

前々から気になっていた近藤ようこさんの本を一冊、漫画の棚に追加。著作リストを眺めて私の好みに合いそうなものを「直感で」選んでみる。本を選ぶという作業には必然的にギャンブル要素が加わるのが困りもの。内容を熟知していれば問題ないのだけれど、そういう本はそもそも買う必要がない。

久住昌之・谷口ジロー『孤独のグルメ』扶桑社

いわゆる“グルメマンガ”。この分野の作品をひとつ本棚に収めるとすれば『孤独のグルメ』や『美味しんぼ』になると思うのだけれど、後者は巻数が100を超えているため断念。ひたすら食事風景を描写するだけの本作、2012年にドラマ化されて有名になったようだ。漫画では他のジャンルもあと数冊くらい、棚に追加したいところ。

赤塚不二夫『赤塚不二夫名作選④ レッツラ*ゴン 』小学館

漫画分野の強化、次は赤塚不二夫さんの『レッツラゴン』を。作者は「『おそ松くん』のユーモアが『天才バカボン』でナンセンスに近づき、『レッツラゴン』でシュールに発展した。これは、俺の目指していた世界だった」と、この作品について語ったそう。発想が飛躍し続け、筋立てを頓着しない笑いは当時斬新だっただろうと思わせる。

諸星大二郎『新装版 栞と紙魚子(全4巻)』朝日新聞出版

諸星大二郎さんによるコメディホラー。1995年から2008年にかけ少女漫画雑誌で間欠的に連載された。タイトルに「栞」「紙魚」という言葉が使われていることでも分かる通り、本や古書店が登場する話が多くて楽しい。

手塚治虫『火の鳥(全13巻)』角川書店

置き場所の問題で購入を躊躇していた、手塚治虫先生のライフワーク。しかし考えてみれば、13巻というのは漫画としては特に巻数が多いわけではないなあ。

玉川重機『草子ブックガイド(1-3巻)』講談社

テーマが「読書」の珍しい漫画。作中で扱われている「本」は、ほぼ全て小説である。気になって調べてみると書物・書店・図書館などをテーマにした漫画作品は意外と数多く描かれているようで、いずれも読んでみたいのだけれども。漫画喫茶にはその種のマニアックなコミックス、置かれていないんだよなあ。

入江紀子『なんぎな奥さん(全5巻)』白泉社

絵柄もストーリーも「非凡」とは言えないけれど、流れるようなコマ割りがリズミカルで上手。あまり描き込まない、あっさりとした線も心地よい。最近はもう活動されていないようだねえ。

つげ義春『ねじ式 つげ義春作品集』青林工芸舎

著者の代表的な作品が集められた一冊。彼の漫画は他の作家に比べ、芸術性が抜きん出ている。子供の時、わざわざ中野の「まんだらけ」まで行って「ねじ式」の掲載された『ガロ』を買い求めたことを思い出す。