ウィル=ストー『ストーリーテリングの科学─脳と心をひきつける物語の仕組み』フィルムアート社

「私たちは、なぜそうするのか、なぜそう感じるのかを、実は知らない。その理由はすべて、脳がでっち上げた作り話にすぎない──それは物語の登場人物にとっても同じである」(惹句より)。「人間の脳と心に注目して、共感を生む物語のしくみを徹底解剖」した本。類書は何冊かあるけれども、比較的手に取りやすい値段だった本書をチョイス。

アンジェラ=アッカーマン・ベッカ=パグリッシ『感情類語辞典』フィルムアート社

創作者向けの辞典。「本書は、人間の喜怒哀楽を項目化し、それぞれの感情に由来する行動や反応を集めた、創作者のための新しい「類語辞典」です。本書が手元にあれば、お決まりの表現に頼らずに、登場人物をより人間らしくリアルに描き、物語を引っ張っていく魅力的なキャラクターを生み出すことが可能になります」(惹句より)。ちなみに同じような辞典のシリーズが他にも出ていて、「感情増幅類語辞典」「トラウマ〃」「職業設定〃」「場面設定〃」「対立・葛藤〃」「性格〃」などといったものがあるようだ。

ジョージ=ソーンダーズ 『ソーンダーズ先生の小説教室 ロシア文学に学ぶ書くこと、読むこと、生きること』フィルムアート社

「シラキュース大学の創作講座を20 年にわたって担当し、小説家志望の若き学生たちに小説の書き方と読み方を教えてきた(中略)ソーンダーズの名物授業を再現した本」(惹句より)。小説作法やシナリオ講座の類は何冊か持っているが、本書の特色はロシア短編小説を実例として、かなり具体的に小説を分析しているところだろうか。値段の割に600頁もあって、お得感がある。

阿部幸大『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』光文社

レポート・論文の書き方の指南書。ウンベルト=エーコの『論文作法』に比べてより精緻に理論化されている印象。学生時代に論文の書き方とか教えてもらった記憶は無いのだけれど、これは教師自身がさほど理解していなかったからだろうなあ、と今になって思う。当時こういったテキストがあったら、たいへん勉強になっただろうな。

グリン=モーガン『サイエンス・フィクション大全─映画、文学、芸術で描かれたSFの世界』グラフィック社

『SF大事典』のような本が欲しくて探してみたら、ちょうど良さそうな一冊を発見。「2022年10月からロンドンの科学博物館で開催された『サイエンス・フィクション』展のガイドブックの翻訳版」だそう。「人間と機械」「宇宙の旅」「コミュニケーションと言語」「エイリアンと疎外感」「不安と希望」という五つのセクションで構成されている。映画・小説・コミックスなど、扱うジャンルが多岐にわたっているのも良い。

トーマス=S=マラニー・クリストファー=レア『リサーチのはじめかた――「きみの問い」を見つけ、育て、伝える方法』筑摩書房

「最も難しいのは、研究に着手する前の段階なのだ。どんな問いを立てたいのか、どんな問題を解決したいのかまだわからない、その段階がいちばんむずかしいのに、そのことを私たちは忘れていた。研究というものは、中核的な問いが明らかになったあとに始まるのではない。なにを研究するかわかる以前にすでに始まっているのだ。これは研究というものの根本的な皮肉であり、それをどう乗り越えていくか、教えてくれる道案内はどこにもない。(「はじめに」より)」「研究」を「創作」に変えても同様のことが言えるよね。

ジャック=サリヴァン『幻想文学大事典』国書刊行会

1986年に出版された『The Penguin Encyclopedia of Horror and the Supernatural(恐怖と超自然の百科事典)』の翻訳。文学のみならず、絵画・映画・音楽・建築などもカバーしていて便利。新たに学びたい分野の情報を手っ取り早く概観したいときには、こういった専門事典はとても重宝する。少々高価な本だけれど数が出回っているのか、古書ならば半額程度で買えるようだ。

ジャン=ルイ=ド=ランビュール『作家の仕事部屋』中央公論新社

50年前に出版されたフランスの作家たちへのインタヴュー集。このほど久しぶりに文庫化されたらしい。目次を眺めただけで、錚々たるメンバーの名前が並んでいるのが分かる。創作作法の本で、執筆術の聞き書きを集めたもの、そういえば持っていなくて欲しかったのだよね。私の要望にあてはまる書籍に思えるから、とりあえず本棚に入れておこう。

ズンク=アーレンス『TAKE NOTES!――メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになる』日経BP

社会学者ニクラス=ルーマン考案の「ツェッテルカステン」の入門書。『知的生産の技術』の内容とよく似ているけれども、本書の方が解説が分かりやすい気がする。ところで持っている知的生産術に関する本を数えてみた。『独学大全』『創造の方法学』『問題解決大全』『アイデア大全』『アイデアの作り方』『知的生産の技術』『発想法』など。色々読んでいるのだけれど、自分なりの方法がまだ確立できていないのだよなあ。

K=M=ワイランド『アウトラインから書く小説再入門 なぜ、自由に書いたら行き詰まるのか?』フィルムアート社

シナリオ指南の本、何を持っているのか確認すると『脚本の科学』『スペース・オペラの書き方』『SAVE THE CATの法則』『「感情」から書く脚本術』『素晴らしい映画を書くためにあなたに必要なワークブックシド・フィールドの脚本術2』『シナリオの基礎技術』の5冊であった。創作におけるアウトラインの作り方を知りたかったのだけれど、この中には含まれていないようなので一冊買い足しておこう。類書の中でも評判の良さそうだったもの。

中村明『日本語 描写の辞典』東京堂出版

歳時記を手に入れたのと似たような動機で購入。つまり語彙を増やし表現力を少しでもマシにするため。本書は自然・人物・心理の文章表現について、近代文学の名描写から採られた例文を掲載した辞典である。私はあまり文学作品を読まず、読んだとしても海外小説の翻訳が多いので、日本語の文学的レトリックには疎いのだよねえ……。

石寒太『ハンディ版 オールカラー よくわかる俳句歳時記』ナツメ社

普及版の小さな歳時記。俳句を趣味とするわけではないが、この本を書架に入れておく理由は次の通り。一、単純に語彙を増やすため。二、カラー写真が多く掲載されており、脳内の画像イメージを増やすのに好適。三、名句と呼ばれるものが大量に載っており、俳句の基礎知識を得るのに便利。

ポール=ジョセフ=ガリーノ・コニー=シアーズ『脚本の科学 認知と知覚のプロセスから理解する映画と脚本のしくみ』フィルムアート社

「本書は認知神経科学の観点からすぐれた映画脚本とはどういう脚本かを解明しようとしたこれまでにないユニークなコンセプトの本である(訳者あとがきより)。」内容をざっと見る限り専門書というよりもハウツー本に近い感じだけれど、他に類書も見当たらない。「認知科学から見た脚本論」については、本格的な論考が出るまではこの本で我慢。

遠藤嘉基・渡辺実『着眼と考え方 現代文解釈の基礎』筑摩書房

現国の時間によくやらされた現代文“解釈”問題にあまりいい思い出がないのは、国語教師たちの教え方が論理的じゃなかったからだろうな。「小論文」の指導も同様である。復刊されたばかりの本書は腰巻きに「幻の名著」などと大書されているので、その点ちょっと期待している。

野田昌宏『スペース・オペラの書き方―宇宙SF冒険大活劇への試み』早川書房

読書猿さんのブログで紹介されていた本。しばらく積読になりそうだが、安価な文庫本だし手に入れられるときに買っておこう。しかし「スペースオペラ」という言葉を久しぶりに聞いた気がする。Wikipediaによれば「(前略)宇宙空間で繰り広げられる騎士道物語的な宇宙活劇のこと(後略)」だそうな。『スターウォーズ』に代表されるSF映画なんか、これにあたるのだろうか。

読書猿『独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』ダイヤモンド社

辞典のような分厚さに笑ってしまう本。内容は文句なく素晴らしい。欲を言えば本書では扱われない「独学者の食事」「独学者の睡眠」「独学者の書斎術」「独学者の運動」「独学者の交友関係」などなどを追加し、『独学大全・全五巻』などに進化すると楽しそう。まあ、それは自分で各分野を書架に並べろ、ということか。

小西甚一『古文の読解』筑摩書房

小西甚一先生の著作は『日本文学史』に次いで二冊目。本書は古文学習の分野では名著で知られる参考書だそう。日本語作文に興味がある身として、これは必読書であろうと思い購入する。いつかは全5巻の大著『日本文藝史』の方も読んでみたいものだなあ……。

石黒圭『段落論 日本語の「わかりやすさ」の決め手』光文社

『語彙力を鍛える 量と質を高めるトレーニング』を読み終わったので同著者の『段落論』のほうも購入。小学校から始まる作文教育ではしかし、句読点の打ち方一つマトモに教えられることがなく、その事情は「段落」に関しても同様。困ったものである。

石黒圭『語彙力を鍛える 量と質を高めるトレーニング』光文社

語彙が貧弱で、文章を書いていても適当な表現が見つからないことが多い。そのものズバリ「語彙力のトレーニング」と題された本書を読んで少し勉強しよう。しかし作文についてのテキストを探すと、石黒圭先生の著作に行き着くことが多い気がする今日このごろ。

ブレイク=スナイダー『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』フィルムアート社

ざっと眺めた感じ、内容も文体も『「感情」から書く脚本術』と似たりよったり。むしろ「どこがどう違うか」を確認するために購入したようなものである。両者を読み比べてより使いやすそうな教本の方を残すかもしれない。しかし翻訳の読み物にありがちな、フランクで冗長な語り口、かなり読み辛いなあ。

カール=イグレシアス『「感情」から書く脚本術 心を奪って釘づけにする物語の書き方 』フィルムアート社

『素晴らしい映画を書くためにあなたに必要なワークブック』『シナリオの基礎技術』などといった有名なシナリオ作法の本で物足りないのは、「いかに飽きさせないか」「どうやって情動をコントロールするか」といった、エンターテイメント的な側面については十分には説明してくれていないところ。本書はその辺を補うために購入。

森瀬繚『シナリオのためのSF事典 知っておきたい科学技術・宇宙・お約束120』SBクリエイティブ

「SF用語大辞典」のような分厚い本が一冊欲しくて探したのだが、どうも新しいものは無さそう。代わりに小中学生向けっぽい内容ではあるが、出版されたばかりの本書を購入。マンガやアニメ映画などに頻出するSF的概念、例えば「パラレルワールド」「ポストアポカリプス」「タイムパラドックス」などといったものを理解するために。

大野晋『日本語練習帳』岩波書店

『日本語の作文技術』『日本語のレトリック』などと一緒に買おうと思っていて忘れていた本。しばらく積ん読になりそう。そういえば子供のころ読んだ記憶もあるのだが、内容をまったく覚えていない。1999年の本なのでちょうど20年前である。

アリス=W=フラハティ『書きたがる脳 言語と創造性の科学』ランダムハウス講談社

「ハイパーグラフィア」と呼ばれる症状について神経科の医師が書いたもの。創造性について精神医学や脳科学では、どのように考えられているのか知りたく購入。学術書ではなくもう少し気軽な読み物なので、「創作・文章技術」の棚に置くことにする。そういえばかつて「パトグラフィー(病跡学)」という分野もあったなあ。

野村進『調べる技術・書く技術』講談社

ジャーナリストによる「知的生産の方法」。「第二章 資料を集める」の部分を読みたくて購入。資料収集の方法はジャーナリスト・研究者・小説家などで異なっていそうなので各種チェックしておきたい。井上真琴『図書館に訊け!』・エーコ『論文作法』・佐藤郁哉『フィールドワークの技法』などと併読するべし。